ちょっと待って!古いブロック塀の解体は、自治体の補助金が使える?
近所を歩いていると、まだまだ古いブロック塀を見かけますよね!ブロック塀は、古くなると雨の浸透により中の鉄筋が腐食して、地震で崩れやっすくなったり、子供が昇ったときなどにブロック自体の強度が低下して一部が欠落し怪我を負ってしまうこともあるのです。ブロックは軽いものでも一つ10㎏近くあります。高く積み上げられたブロック塀が地震などにより倒れ下敷きになってしまった場合、その衝撃は計り知れません。古いブロック塀は危険なリスクを持っているのです。万が一地震などでご自宅のブロック塀が崩壊し物や人に被害を出してしまったら、責任は所有者に課せられてしまい、加害者となり大変なことになってしまします。また、空き家などでも所有者は建物の管理をする必要があるので危険なブロック塀を放置することは厳禁となります。
知らないと危険!ブロック塀に関する規制?
建築基準法令は、大地震による災害が起きると法改正されることが多いです。1968年の十勝沖地震を受け、3年後に建築基準法等が改正されました。その時にブロック塀に関する基準が作られています。その後、1978年の宮城県沖地震を受け、再び3年後に、また1995年の阪神・淡路大震災を受け、5年後に建築基準法等がそれぞれ改正され、ブロック塀に関する基準についても改正されています。現在、ブロック塀の基準は、ブロック塀が1.2m超(ブロック6段超)の場合は、建築基準法施行例第61・62条の規定により、3.4m以内ごとに控え壁を設置するなどの安全対策を取らなければなりません。また、高さは最高2.2m(ブロック11段)までとされています。
意外と知らない?ブロック塀倒壊、被害が出た場合の責任?
手記でも述べていますが、所有するブロック塀が地震などによって倒壊し、人や物に被害を出してしまった場合に、その責任は所有者に課せられることになります。建築物の所有者には、工作物責任が課せられており、工作物の瑕疵によって他人に被害を与えた場合には、工作物の占有者、所有者が賠償責任を負うことになります。また、空き家などでも所有者は建物の管理をする必要があるので危険なブロック塀を放置することは厳禁となります。
ブロック塀倒壊で重大な事故を起こしてしまったら?
2016年4月に起きた熊本地震では、ブロック塀により重傷を負い後遺症が残った女性や、ブロック塀の下敷きになり死亡した男性の遺族が、ブロック塀の所有者に損害請求を求める訴訟を起こしています。倒壊したブロック塀に基礎工事がされておらず、倒壊することは想定でき、所有者が工作物の安全義務を怠ったという主張。請求額は二人合わせて6,800万円でした。また、熊本では被害者遺族が、民事訴訟だけではなく刑事告訴をしています。2017年10月31日、熊本県御船警察署に刑事告訴状が提出されました。これを受け、警察が捜査を開始し同年11月に受理されています。長きにわたる裁判は金銭的、精神的にも大きな負担となります。有罪となれば、過失致死罪の刑罰と、前科がついてしまうことになります。
まとめると
今回は、ブロック塀の倒壊被害は所有者責任について解説させて頂きました。
ブロック塀が倒壊し、死亡事故が発生したものの、未だに過去の教訓を活かすことができず、地震による倒壊の危険があるブロック塀が数多く残っているようです。ブロック塀が倒壊し、事故が発生した場合、工作物責任によりブロック塀の占有者や所有者が責任を負わないといけないことから、占有者や所有者が責任追及される可能性があります。 そのためにもブロック塀の解体や補修を早く進め、予期せぬ事態に備えることが重要となってきます。
ブロック塀の解体費に補助金を使おう
お住いの自治体によっては補助金を活用できる場合がありますので、詳しくは各自治体にお問合せせください。
Exterior&Garden 庭松-NIWASHOU-では、古くなったブロック塀の解体やリフォームも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
代表兼エクステリアデザイナー 松村陽一
山梨県中巨摩郡昭和町ブロック塀等撤去改修及び改善に関する補助制度について
山梨県身延町ブロック塀等安全確保対策支援事業費補助金交付要綱